報告③(講座2018/07/05)

「じぶんにあったしごとを見つけるために」

講師:尾崎ミオ氏 綿貫愛子氏  

武蔵野公会堂 10時30〜12時30


【報告】平成30年7月5日(木)「じぶんにあったしごとを見つけるために」

講師:尾崎ミオ氏 綿貫愛子氏  @武蔵野公会堂 1030〜1230


親の団体なので、親心というかリスク回避的な内容を選んでしまいます。

かつ就労というとそれまでに最小限の社会性は身につけさせなきゃと構えてしまう。

それもだいじだけれど、本人の成長をゆっくり見守ってもいいのではないか。

本人のペースで社会につながっていくこともだいじなのではないか。

なにより、自閉症の特性を「楽しもう!」という気概にあふれているおふたりに刺激をいただきたくて、

この講座を企画させていただきました。



ミオさんも綿貫さんも、学校時代は、かなりのツワモノです。

それがいまの仕事にどう活かされているか・・・。

(文は感想に近いかなり乱暴な要約です。文責は筆者です。ご諒承くださいませ_(_^_)_)

 


♫ 尾崎ミオさん

勉強が苦手で学校も合わずいくつかの職を転々としたのち、本を読んだりまとめたりすることが得意なことに気づき、現在は医療/福祉の編集ライターとして働いています。

仕事のかたわら、発達障害やマイノリティの活動にも積極的にかかわっています。東京都自閉症協会「高機能アスペルガー部会」や、世田谷区受託事業「みつけば」では、多くのASD当事者の方たちと活動をともにしています。

発達凸凹系の人たちはメタ認知が弱い傾向もあり、生産性のない活動に関心がいきやすいです。これは長所にもなりますが、「働く」という行為と矛盾する場合もあります。

社会に適応させようとすると、えてして、ムリをして、つぶれてしまいます。彼らの成長はゆっくりで、就労適齢期は30才を目標にしてもいいのではないかと感じます。

ピアサポートなどを利用して、適応ではなく「ゆるサバイバル」を目標にし、自分のペースで社会にコミットするのが大事です!

 


♫綿貫愛子さん

自分は学校でとても浮いていたけれど、あまり気づかず平和に過ごしていました。 大学に入ってから、「あれはいじめだったのか」とようやく気づいたりしました。 

家族はありのままを受け入れてくれ、高校や大学でも良い先生に恵まれました。大学院修了後は心理職として、巡回相談などの仕事に務めています。 

計算ミスが多くても、統計処理にはエクセルなどの計算ソフトを使うことができます。 自分で連絡調整をして予定を立てることも苦手ですが、巡回相談の仕事では学校側が予定を立てられているので助かっています。 

仕事先で出会う、自閉症のある子どもの行動に共感し、むしろ同職の心理士の接し方が新鮮だったりします。 

自分には得意なところと不得意なところにかなり凸凹があり、記憶や分析、研究のアイデアなど得意なところは仕事に有利に役立っていると思います。 

最初から心理士になりたかったわけではなく、大好きな歴史小説を読んでいるなかで精神の可能性に気づき、心理士になりたいと思うようになりました。好きなことを大切にして、とことんやってみると世界は広がっていきます。


ゆるサバイバル。いい言葉です。

精神病の当事者研究で「勝手に治すな自分の病気」という言葉がありますが、ピアサポートなどで横にゆるくつながって、本人ペースで、社会にもゆるく適応していけたら。

居場所づくりが大事だと思いました。


講師の尾崎さまミオさま、参加してくださったみなさま、ありがとうございました。


※この講座はゆうちょ財団の助成をいただいています。


アンケート(抜粋)

●当事者の方からの見方が大変勉強になりました。今後も支援者の立場で活躍されることを期待しています。

●当事者の立場から感じていることがとても良くわかりました。綿貫さんは二度目でしたが通知表のコメントで学校での様子が良くわかりました。尾崎さんの楽しい支援が印象に残りました。

●自分の好きは他者と違う事があってあたりまえ。自己表現できる場が必要。分かっているが…作るのは大変だなぁ。

●当事者なのでリアリティがあります。

●素敵なお二人にお目にかかれて良かったと思っております。待つのはつらい!ですね。分かっていただける方がいて下さることがありがたく思います。尾崎さんの親としてのお話は響きました。ありがとうございます。